ワーキングプア世帯はなぜ働いても働いても年収が生活保護レベルあたりを彷徨っているのでしょう。
昔の右肩上がりの時代は、年功序列で、年収もそのまま上がっていった年功序列型賃金制度の時代で、企業や景気が拡大していくという前提の元で労働能力の落ちた中高年層の高い年収を若い社員が支えるという形で成り立っていましたが、バブル崩壊後に景気が急激に悪化したため、その前提がなくなってしまったわけです。
まず企業側は少なくなった収益を補おうと人件費の削減、特に年収の高い中高年層をリストラするという方法で補おうとしました。
こうして会社が入社した人を一生面倒を見るという終身雇用型社会は崩壊し、代わりに正社員での雇用ではなく人件費の安いパートや派遣等の非正社員型に労働力をシフトしました。企業がなんとか生き延びられたのもこうした作戦のおかげです。
そうやってリストラされた人は、年齢の壁もあり、正社員で就職する事が難しいため、パート等の安い賃金の仕事に就くしか生きていく道がありません。
更に中高年の家庭では、年代的にも住宅ローンの債務や教育費の負担を抱えていることが多い上に子供の教育費もかかる世代と一致するため「ワーキングプア」から抜け出す事が困難で悪循環のスパイラルにはまってしまうことが多いのです。